Profile

西村佑美(にしむら・ゆみ)

発達専門小児科医/一般社団法人 日本小児発達子育て支援協会 代表理事

 

1982年、宮城県仙台市出身。日本大学医学部卒。小児科専門医。子どものこころ専門医。一般社団法人 日本小児発達子育て支援協会 代表理事。日本大学医学部附属板橋病院小児科研究医員。三児の母。

最重度自閉症のきょうだい児として育ち、障害児家族に寄り添える仕事がしたいとの想いから医師を志す。2011年から日本大学医学部小児科医局に所属し、小児科医として大学病院に勤務。以降、のべ1万組以上の親子を診てきた。第一子出産後に自閉症診療の第一人者・平岩幹男氏に師事。発達障害についての専門性を深める中、第一子に発達特性があることが発覚し、母としても発達特性の子育てに向き合うことに。当事者家族として本格的な療育や知育、バイリンガル教育を行った経験を活かし、地方病院と大学病院で発達専門外来を新設する。しかし、医師という立場で育児の悩みに寄り添うことに限界を感じるようになる。2020年、コロナ禍で各地の乳児検診が中止になったことをきっかけに、「ママ友ドクター®」プロジェクトを始動。SNSでの情報発信、全国各地での相談会主催、メディアでの執筆、企業登壇、主宰する「子ども発達相談アカデミー VARY」での活動等を通し、子育ての悩みを抱えるママたちの支援を行ってきた。2024年、最新の医学・心理学・発達支援に基づいた子育て法を取り入れたママメンターの育成と、専門医に相談できる場の創出を目的として、一般社団法人 日本小児発達子育て支援協会を設立。「発達特性の子育ては、発想力も行動力も群を抜いた人づくり」であるとの信念を胸に、各自治体や医療機関とも連携した、より多くのママたちをサポートする環境づくりを進めている。今後の目標は、特性に対する新たな価値観を社会に生み出すこと。

 

 

医師略歴


2009年〜医学部卒業・医師資格取得、都内大学病院で初期研修開始。
2011年〜初期研修終了、同大学小児科へ入局、発達障害診療を学び始める。
2013年〜千葉県の市中病院(人口15万)にて「すくすく相談外来」開始。小児科専門医取得。
2017年〜都内大学病院常勤医、小児科外来で発達専門外来を新設。小児心身症学会認定医取得。
2019年〜同医局の研究医員。子どもの心専門医取得。
2020年〜三児の産休のため発達外来休診へ。同年、ママ友ドクター®活動を開始
2021年〜SNSによる母子支援活動を本格化、オンラインによる発達子育てコンサルティングサービスを開始。
2022年 ママのためのコミュニティ「子ども発達相談&ゼミVARY」を開始。東京、名古屋、大阪で少人数相談会開催。
2023年 乳幼児メディアアドバイザー資格取得。精研式ペアレントトレーニングファシリテーター研修修了。「子ども発達相談ゼミVARY」を「子ども発達相談アカデミーVARY」と名称変更し、講座配信を充実させ、ペアレントメンターのプロ育成事業に取り掛かる。

2024年  「発達特性に悩んだらはじめに読む本」(Gakken)出版
一般社団法人日本小児発達子育て支援協会設立、日本大学医学部附属板橋病院小児科研究医員

資格一覧:

  • 小児科専門医/小児心身症学会認定医/子どものこころ専門医
  • 乳幼児メディアアドバイザー
  • 早期療育の最新プログラム ESDM、JASPER初級受講終了
  • PECSレベル1 受講終了
  • 短縮版精研式ペアレントトレーニングファシリテーター養成研修修了
  • ポジティブ育児マイスター3級
  • AERA with Kids アンバサダー

所属学会:

日本小児科学会、小児精神神経学会、児童精神神経学会、小児心身症学会、小児保健学会、子どもとメディア研究会

対象(診断の有無は問いません):

0~15歳
自閉スペクトラム症(Kanner型含む)、ADHD、SLD(限局性学習症)、発達性協調運動症、場面緘黙、吃音、起立性調節障害、不登校
療育に関しては、TEEACHやPECSからABA(DDT/PRT)・VBといった典型的な手法から、RPMやESDM、JASPERまで幅広く網羅。

発達特性に応じた「療育・知育・小学校受験」について独自視点で研究しており、発達特性のある子どものバイリンガル教育についても個別アドバイス可。

実施・結果解釈可能検査(参考として検査の一部を実施可):

  • 津守稲毛式発達検査 日本語版M-CHAT
  • PARS-TR(親面接式自閉スペクトラム症評定尺度)
  • SCQ(対人コミュニケーション質問紙)
  • ADHD-RS(ADHDチェックリスト)、
  • QAD(ADHD日常生活チェックリスト)
  • VinelandⅡ(適応行動尺度)
  • ADI-R(保護者面接による発達歴と日常行動)
  • ADOS(自閉症診断観察検査)
  • WISCーⅣ・新版K式・田中ビネー知能検査・K-ABC検査・DENVER Ⅱ
  • 読み書きスクリーニングテストなどの各種心理発達検査の結果解釈も可能。

 

┃メディア・活動実績

  • AERA with Kids 2023 他多数

最新のメディア・活動実績は、こちらをご覧ください

SNS


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My Story


ママのためのドクターになりたかった

3歳年上の姉が、最重度の自閉症(発達障害)を持つ。30年以上前の当時、自閉症は親の愛情不足や育て方のせいだと言われていた。

世間や医療機関でさえ理解や知識もなく支援も十分なかった時代に、弟を含めて3人の子どもを育てていた母。

気丈な母を常に笑顔にしたいが自分一人では何もできないと感じていた幼少期。なんとか母を楽にしてあげたい、なんとか姉を治してあげたいと考え続けた結果、母親に常に寄り添い障害のある子のためになる仕事をしたいと医師を志す。

発達障害のある子は「障害児」ではないことに気づく

医学生時代から専門施設の研修などを繰り返し、特性のある子どもたちは幼児期に関して言えば決して心や精神の障害のあるわけではないと知る。そのため児童精神科(子供専門の精神科医)の道ではなく、乳幼児期の育児相談も担う小児科医として歩みだす。

しかし「お母さんに寄り添って大変な子育てを支えたい」と上級医に伝えたところ「あなたがしたいことは医師の仕事ではない」と言われショックを受ける。

その後、自閉症診療の第一人者の小児科医である平岩幹男医師に出会い学ぶ中で、特性のある子どもたちは、親の意識と環境(療育と特性を理解した丁寧な子育て)でその後の人生すら変わり得ることを目の当たりにする。

有名な療育機関で現場の指導スキルを学び、それらの知識を踏まえ勤務先の市中病院で独自の育児相談外来を新設。その経歴が認められ大学病院でも発達専門外来を任されるようになる。

発達特性の有無に関わらず、前向きに我が子に向き合える―それを応援するのが小児科医の使命のひとつという想いを抱くようになる。

発達特性のある息子が常識を超えて成長しだす

市中病院の相談外来を立ち上げたころ、自身も第一子が言葉の遅れを伴い発達特性があることに気づく。専門知識や療育スキルがあっても母親としてはまだ初心者で、心配や不安で日々押しつぶされそうな子育ても経験する。

しかし、都内トップクラスの療育に通わせながら将来を見据えてバイリンガル教育や知育の教室に行い小学校受験も経験する。その間、妹や弟が誕生する中で、長男が予想を超えて成長していく姿を見て、同じ境遇のママたちに「努力は実を結ぶ、夢を諦めないで」というメッセージとともに経験談を共有したいと考えるようになった。

医師としてやれることに限界を感じ「ママ友ドクター」が誕生

ある日、外来に発達相談に通っていた5歳と9歳の男の子ママがこう言った。

「乳癌が再発して余命宣告受けた」
「息子が成人するのを見届けられない」
「今やるべきこと、教えてください」と。

医療従事者の彼女は淡々と語っていた。

医師は客観性を保つため診療の際には、個人的な感情を挟まず個人的な付き合いはすべきではないという暗黙ルールが彼女と私の間の邪魔をした。

ホントは彼女の無念さが伝わってきてその場で一緒に泣きたかった。病院の外で同じママとして何かしてあげたいと思った。

けれどプロの彼女が私に「ママ友」になってほしいのか正直わからなかった。動揺を隠し私は医師として暗黙ルールを守り話し続けるしかなかった。

診察室にいて白衣きてるだけじゃ、ホントの意味でママに寄り添えないと痛感したこの日。

小児科専門医、小児心身症学会認定医
子どものこころの専門医という資格があっても「医師」には超えられない壁があった。

そんなことがあって以来、ずっと診察室の外に出てママ友みたいに役立ちたいと思っていました。

 

Message

AI時代やダイバーシティーが重視される時代にイキイキと活躍できる大人の条件ってどんな人でしょうか?長年専門医として携わってきましたが、発達特性がある子どもたちはこれからの時代に必要な、魅力的な人材の卵ばかりです。

しかし、残念ながら社会的な子育てマインドのUPDATEは追いついていません。特に園や学校などの集団生活を送っている時期は、子どもの特性や育て方で悩み、将来の夢も描けない親で溢れています。

ママ友ドクター®の活動は、
「私の子育ては、こんなはずじゃなかった」と悲観するママを一人でも減らし、「手はかかっても、私はこの子が大好き」と思っているママを増やす活動です。

成長をあきらめないで、夢も少しずつ乗せながら子育てができるようになると、わが子をもっと好きになれます。

そして、
「私はこの子が大好きで、誇らしく思える」というママが増えることで、「特性があって素敵だね」「フツーと違うとは特別である、ということだね」といったマインドであふれる、本当の意味でのインクルーシブな社会が実現できると信じています。

SERVICE


子ども発達相談アカデミーVARY ーバリィーは

我が子が「他の子と違う」ことに落ち込んだり、
「発達障害がある」と言われて傷ついたり、
「発達の特性がある」と気づいて心配だったり、
「子どものこと、解決したい」と思っている、

0歳から小学生低学年までのママのための場所です。
ゆるくつながって励ましあったり、学んだりしながら、【もう一度我が子を大好きになる】

それを目標にしているママ達が全国から集まっています。

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